未來舎について

利用者さんは支援者を追い越すように変わっていきます。長年一緒に暮らした親御さんが見たことのないような一面が、生活の様々な場面に現れます。表情や言葉、自発性や協調性、いたわりや励ましの感情が利用者さんから湧き出してくるとき、わたしたちを驚かせます。 自宅の食事以外、ほとんど手を付けないＡさんは、体験入寮3ヶ月のあいだで体重が6キロ減りました。提供したご飯は、来る日も来る日もゴミ箱へ。我慢の日々が続きました。でも、小さな変化が起こります。ある世話人の日から完食できるようになると、今では毎朝、毎晩、ごはんおかわり。グループホームでの新しい生活が、自宅と同じように安心な場所だとわかったのかもしれません。利用者さんに現れる「素敵な変化」に伴走するのが、未來舎のグループホーム事業です。

入寮したての頃は、週末のお出かけ先、昼食のメニューを決めるのに、一日がかりで考えていた40代のＵさん。実家で暮らしていた時、行きたい場所、食べたいものを自分で決める経験がなかったそうです。移動支援を始めて1年くらい経ったとき、あるガイドヘルパーにＵさんはこう呟きました。

「初めて会ったとき、オレになんて言ったかおぼえている？　いっしょに見たい世界がたくさんあるって言ったでしょ。いろんなとこに行って、オレの世界は広がった。もっともっと世界を広げたい」Ｕさんのお出かけ用ガイドブックには、三角に折ったページがどんどん増えています。

利用者さんとわくわくする世界を広げていくのが、未來舎の移動支援事業です。